ドローン技術は近年目覚ましい進歩を遂げており、トラブルに対応する安全機能やフェルセーフ機能などを搭載した機体も登場しております。それでも、１００％事故が起こらないということはありえません。飛行前点検や十分な安全管理措置を講じていたとしても、事故というのは起こるときは起こってしまうものです。ここでは、ドローンに搭載されている安全機能の種類や内容、事故が起こってしまった場合の報告先や報告方法について掲載しおりますので是非ご確認ください。

ドローンの安全機能は機体ごとに有無が異なりますので、機体購入前に必ず確認するようにしましょう。

ドローンの安全機能には下記のようなものがあります。

• ジオフェンス機能

あらかじめ設定されたエリア外へドローンが飛び出さないよう制限をかける機能です。

たとえば、距離を３０ｍに設定するとそれ以上の距離は飛行できなくなり、高度を２０ｍに設定すると、それ以上高度が上昇することはできなくなります。

• 障害物回避機能

ドローンに取り付けられた光学センサー等で周囲の空間を識別し、障害物に近づくとその場でホバリングをしたり、警告音を発したりして障害物への衝突を防ぐ機能です。

• 自動帰還機能

位置情報を基に、ドローンが自動的に離陸地点に帰還する機能です。

自動帰還機能は、基本的に離陸地点の上空へ直線で飛行します。ですので、障害物回避機能のないドローンで自動帰還機能が作動すると離陸地点との間に障害物等がある場合、障害物に衝突する恐れがあります。

• パラシュート機能

ドローンが墜落する事態に陥った場合にパラシュートを開傘させて、ダメージの軽減を図る機能です。

フェルセーフ機能とは、飛行中に故障やトラブルが発生した場合に、危険を回避するための機能のことです。

バッテリー残量の低下や送信機と機体間の電波遮断などの異常が発生した場合に、自動帰還機能が作動したり、その場で着陸したり、あるいは、その場でホバリングしたりするなどの操作が自動で行われます。事前にどの機能を作動させるかを選択して設定することが可能です。フェルセーフ機能は危険を回避するための最終手段となりますので、できる限りフェルセーフ機能には頼らずに操縦するようにしてください。

ドローンの飛行中に事故が発生してしまった場合、直ちに飛行を中止し、発生した日時及び場所などを報告しなければなりません。これは、航空法に定められている操縦者の義務です。今後同じような事故を起こさないためのデータにもなりますので、隠すことなく必ず報告するようにしましょう。

事故等の報告をしない場合又は虚偽の報告を行った場合には、３０万円以下の罰金が科されます。

1. 国土交通省航空局安全部無人航空機安全課
2. 東京航空局保安部運航課
3. 大阪航空局保安部運航課
4. 東京空港事務所（※24時間対応）
5. 関西空港事務所（※24時間対応）

事故等の報告は、上記の官署のうち、許可や承認を受けた飛行に関しては、これを許可又は承認した官署宛てに、許可や承認を受けていない飛行に関しては、飛行経路を管轄する官署宛てに、原則としてDIPS2.0を用いて行います。

また、電話やメールにより報告することも可能です。その場合、無人航空機に係る事故等の報告書（様式）を使用して上記の該当する官署に提出することとなります。